混合診療の解禁  平成25年4月14日(日)

混合診療の解禁  


たまにはアカデミックな話題。
どうでもいいといえば、どうでもいい。




混合診療って、何?
「保険証」で認められている診療と、認められていない診療を同一場所で同日に行うこと。

たとえば、
風邪をひいたときに、風邪薬を処方するのは「保険証」で認められている。
が、必要以上に気持ちのこもった治療、たとえば、

若くて元気な人に、栄養剤を処方して、さらに点滴までしてあげる。これらは「保険証」では認められない。

現在、「保険証」で認められないことを同日同一場所で実施してはいけないので、「必要以上の熱心な治療」が可能なところは存在しない。

しかし、法律改正により、これを可能にしましょう。
「保険証」で認められていない部分は、その分のお金を払ってもらえれば実施してもいいことにします。
ただし、一般に「保険証」では3割分の支払いで済むが、「保険証で認められていない部分」については、もちろん10割分を患者さんがしっかりと支払ってください。


というのが「混合診療の解禁」

これって、いいの?悪いの?


第一印象で誰もが考えるのは、

お金があれば何でもやってもらえる。→医者も喜ぶ。患者も喜ぶ。

お金がなくても最低限の治療はやってもらえる。→まぁ、今と同じなので、医者は許す、患者も許す。


これでおしまい?
じゃぁ、いいことなのか?


………

2015年

世界的に有名な名医あこがれドン兵衛が、癌を治す薬「ガンガナオール」を開発した。
しかし、保険適応を申請するには、さらに面倒な治験(実際の患者さんに服用してもらって効果があることを統計的に証明すること)をしないといけない。
非常に費用がかかる。
申請する事務手続きも複雑でメンドクサイ。
メンドーが大嫌いなドクターあこがれは、この新薬を「保険適応外」で使用することにした。
幸いにも混合診療が解禁されたことにより、日本全国すべての病院で、このガンガナオールを採用してもらえた。

しかし、さすがに新薬のガンガナオールを開発するにはかなりの費用を費やした。
だから、薬価も(とりあえず最初は)高額に設定せざるを得ない。
「1回分、100万円」

もしも保険適応であれば3割負担になり、さらに年末調整の医療費に計上できれば年間10万円を越えるものは税金から控除される。
しかし、自由診療ではそれは不可能である。(と仮定。)


1回100万円もする治療であるが、さすがに効果が素晴らしいので、飛ぶように売れた。
とんでもない儲けになった。
今さら「保険申請」をする気にもなれない。
くどいが、ドクターあこがれはメンドクサイことと、厚生省相手の事務手続きが大嫌いなのだ。

その後、ガンガナオールは永遠に保険適応になることはなく、自由診療で扱われつづけた。
100万円が支払える患者は命が助かる。
そうでない患者は…




これでは困る。

保険会社が続々と「自由診療保険」を発売した。
掛け金をかけておくと「保険証が効かない部分」の診療をした際に補助金が支払われる。
国内の保険会社だけでなく、TPP解禁により海外の保険会社も参入し、保険会社の生存競争に発展した。

しかし、この競走の中で生き残った日本の保険会社がある。
特に、ガンガナオールで治療したぶんの補助率を高率にした。ガンガナオールで治療された患者に対しては、その後の掛け金も不要とした。
この保険会社からバックマージンをもらっているのが、あこがれ財団であることは言うまでもない。


混合診療の解禁って、いいの?
悪いの?


保険証で使用できる新薬は永遠に発売されなくなります。

………



本来なら、混合診療解禁により、もっとも恩恵を受けるはずの分野は、不妊と移植。
しかし、日本人のモラルがそれをさえぎる。

夫と妻の受精卵を他人の子宮で育てたら批判されるとか、
癌で死んだ人の腎臓を移植したら週刊誌で叩かれるとか、
これでは、混合診療解禁のメリットは全くない。

そして、不妊治療が保険適応となり誰でもできるような時代になることは永遠にない。
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by akogarehotel | 2013-04-15 09:10 | 放射能と医療の真面目な話 | Comments(0)  

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