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いつもの日記、その前に 平成25年5月4日(土)

WCCFと水球の日記、その前に 平成25年5月4日(土)


日記を書こうと思ったら、、、、、
ある本への文句が非常に長くなってしまったので、WCCF他は明日へつづく。


………


月野さんからの質問で、、この本、どうなの?と。



「医者に殺されない…」
著者:近藤ナントカ (K大学病院放射線科講師)



一言で言うと、売り上げ重視。
こんなことを書けば売れるよね、と言う内容を、
読んでいる人が誤解しようがおかまいなしに書き連ねている本。
正しいことも書いてあるけど、正しくないことも…


とはいえ、私自身は、この本を読んだわけではなく、
単に、いつものゲーセンの隣にある本屋で棚売りされていて、目次をパラパラとめくっただけ。
だから、決して批評を言っていい立場ではない。
コンドー先生がどんな意見を持っているかは、学生時代から噂には聞いていたので、そのへんを踏まえて、


一応、月野さんの質問に答える形で、

問:
①「抗がん剤はほとんど効かない」
 「治療をすれば副作用の苦しみがあるだけ」

②「がん検診を受けるとがんになる確率があがる」

って、書いてあるけど本当なの?


答:①
何をもって「効く」「効かない」と表現するかの問題。
「満足する」「満足しない」でもって判断するのが普通かもしれないが、

癌で死亡するとすれば「満足する」わけない。
抗がん剤を使っても「満足する」結果にはならない、これは正しい。


ただし、抗がん剤により、多くの癌で寿命が延びるようになったのは事実。
特に白血病での抗がん剤治療の進歩は著しく、骨髄移植をしなくても完全治癒が望める。
言い換えれば、
白血病では抗がん剤は効果がある。抗がん剤を使用しなければ死亡する。
その他の癌でも、例えば、脳転移などには抗がん剤を使用したほうが、症状を軽くし、延命効果もある。
てことで、抗がん剤は効果がある。

ただし、もちろん、肺転移や肝臓転移があるときなどは、こちらが期待した効果を出せずに終わってしまうこともある。


まとめると、
抗がん剤により治療効果があるものもあれば、
効果が少なく、副作用(倦怠感、脱毛など)だけが目立つものもある。
癌の種類によって違うが、さらには、個人によっても大きく違う。

一概に「効果がない」と言い切るのは間違いだ。


答:②
どうやら、がん検診で受けるCTのことを言っているらしい。
その通り、CT検査の被爆は意外と多い。

一年間の許容被爆量が1mSvという意見もあるなかで、胸部あるいは腹部CTでは、10mSvをはるかに越えてしまう。
(ただ、震災以降、年間20mSvまで大丈夫だ、などという狂気的意見が出てきたが。)

むやみにCT検査を受けるのは好ましくない。
これは正しい。

しかし、がん検診=CTではない。

被爆しないで、危険性の何もない検診はいくらでもある。
また、胸部レントゲンの被爆はほとんど問題にならず、1年で300枚撮影しても問題ない。


結論。
CT以外のがん検診は是非必要。胸部レントゲンも必要。
CTは必要性のあるときだけ。
ただし、早期発見で治療できる世の中なので、必要があればCTを受けたほうがよい。1年に1回くらいなら問題なしと考える。

健診を受けると精神的に心配、と言う人は、受けなくてもよい。
ただ、がんを見逃すことになっても自己責任。

ただ、知らぬが仏、という言葉もある。これも事実。





………

「病院に行ってはいけない」と主張するコンドーさん。
当然、大学病院内でも異端者であり、解雇されないのが不思議なくらいだが、

「ペンは剣より強し」
で有名な大学なので、大学的には、

「何を言おうが本人の自由。勝手に吠えていなさい。」
「ただしい理解力のある患者さんなら、あなたの甘言に惑わされることはない。」



個人的には、
「何をやっても無駄だから、何もしなくていい」
という投げやりな主張が好ましくない。
無駄だと思うことの中に、わずかに、無駄ではないことが隠れているのが真理。

さらに、
そこまで病院を批判するのに、なぜ病院勤務を続けるのか?
本を売るために「K大学講師」という肩書きが欲しいだけ、としか思えない。

by akogarehotel | 2013-05-05 10:30 | 放射能と医療の真面目な話 | Comments(2)  

Commented by マサノリ・ツキノ at 2013-05-05 14:57 x
早速の回答、ありがとうございます。
この本を読んで、「なるほど」と思った事もいくつかはあったのですが、あこがれさんが最後に書いた、

>個人的には、
「何をやっても無駄だから、何もしなくていい」
という投げやりな主張が好ましくない。
無駄だと思うことの中に、わずかに、無駄ではないことが隠れているのだ真理。

これ、これを私も感じたんですよ。
なんかこう、喉元に引っかかってたのはこれ。
おそらく患者は「がんです」って言われて、何もしないってのは
凄く勇気がいるし、何とかして治したいと思うはず。
仮に現時点では何もしないのがベターだったとしても、それを何とかして治す努力をしないことには医学の進歩ってないんじゃ・・・?

って気がしました。

もし、私ががんですって宣告されたら、真っ先に相談しますので、的確なコメントよろしくです(笑)

Commented by akogarehotel at 2013-05-08 05:05
月野さん

「何をしてよいか分からない民よ。何もしなくてもよい。それで救われる」
と言われると変に安心するのではないでしょうか。
迷う人が多ければ多いほど、精神論的で宗教的な本が売れる世の中?

セカンドオピニオンという言葉があるとおり、いろいろな人の意見を聞くのが必要でしょうね。
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