碓氷峠ヒルクライム・ドッペル(その2) 平成25年8月14日(水)
碓氷峠ヒルクライム・ドッペル(その2) 平成25年8月14日(水)
日の出とともに、家を出て、
「燃えないゴミ」をゴミ置き場に放り投げて、
軽井沢へ向けて出発。
朝5時なのに生温かい空気の中を、県道「前橋安中」線、国道18号を横川を目指してゆるゆると進む。
勝負は峠だ。前回の経験から、「スタート地点」までは可能な限り体力を温存すべきと知った。
スタート地点は横川(おぎのや)。前橋から横川までは、スタートに対する助走だ。
とはいえ、安中から松井田に入り、横川が近づくと、一応「坂」になる。
もちろん赤城旧道と比べたら、へなちょこというか、平坦といっても過言ではない「坂」だが、申し訳程度に登坂車線もあったりするので、慎重に慎重にエネルギーを温存しながら進む。
横川近くから見る妙義山。上毛三山の残りの1つ。
クレヨンしんちゃんの作者が滑落死した山としても有名。
6:30 横川(おぎのや)到着。
ここまで35km。1時間半。ゆっくりすぎ?
どうでもいいけど、
アーセナルのユニフォームって、かっこいいね。
この肌の色だけなら、ウォルコットみたい?とか子供みたいな妄想。
ベンチで水分補給と休憩。
家から「凍らせた状態」で持ってきたポカリが、すでに「お湯」になってた。
この「おぎのや」のすぐ先で、バイパスと旧道が分岐する。
旧道を15km上れば、ゴールの軽井沢だ。
たった15km?
赤城旧道も「全長15km」だから、決してあなどることはできない。
………
ゆっくりと休憩して、7時ちょうど。
いざ出発。いざ軽井沢。
出発してまもなく、一人のローディに追い越された。
その後姿があまりにも美しかったので、追いかけて了解を得て写真を撮らせてもらった。
上下のユニフォームも綺麗だが、ふくらはぎと背中が美しい。
初心者にとって、他人のフォームを見ることはとても勉強になる。
そんな上級者さんを追いかけながら、碓氷峠の旧道に突入。
カーブ番号が始まり、気合が入る。
どこぞのブログで調べたとおり、路面は快適だ。
最近、舗装しなおしたばかりなのだろうか。ツルツルの路面は、全く苦痛を感じさせない。
時折、ガソリンを無駄遣いする輩が、轟音とともに文明車を走らせていくが、道幅が広いので、ほとんど危険ではない。(実は、そんな輩は、意外とオヤジが多いことに驚いた。)
。。。。ガソリンの値段を10倍にすればいいのに。
そんな騒音野郎は数台しか遭遇せず、それ以外に聞こえてくる音は鳥の鳴き声だけだ。
本当に静かだ。
もちろん、その静寂を楽しんでいる人達が他にもいるだろうから、僕自身も音楽をかけずに上る。
しかし、心の中では「アースチャイルド(セカイノオワリ)」を歌いながら。
ということは、ケイデンス95を維持しているわけだが、、
坂が緩い。
赤城や榛名に比べたら、物足りない。
今までで一番緩い坂だ。
ギアもファイナルローにすることなく、2枚、3枚上げた状態で、それでケイデンス95が歌える。
なんか、肩透かし?
いやいや、油断してはいけない。
だって、「カーブ184の急坂」なんだから。
頂上に近づくにつれ、急坂がでてくるはず。はず?
と思って上っていっても、、ふーん?ふーん?ふーん?
カーブ番号が100を越えても、「坂」らしい坂はない。
127、128、129番のカーブあたりで、ちょっと路面が悪く、勾配もあったので一時的にダンシングをしたが、、、
それ以外は、お尻をあげる必要がない。
あれ?
でも油断しちゃいけない。
なんてったって、184あるんだから。
まだ130。。。。
まだ140。。。
まだ150。。
あれ?
峠を上りながら、3人のローディを追い抜いた。
あの美しいローディさんも、実は途中で追い越してしまった。
あれ、おれつぇ?
カーブの数が170を数えた。
もがけぇ!
最後にもがきを入れた。
あっけなく、184番のカーブが来た。
ゴール。
ゴール?
頂上に着いてしまった。
うーん。どうなんでしょう?
単純にカーブの数が多すぎてウンザリする精神的訓練の峠なのかな。
あるいは、タイムアタックの練習用とか。
碓氷峠旧道(おぎのやから) 15km
50分
ボトルホルダーとグローブのおかげで、一度も着地しなかった。初心者的にはうれしい初記録。
そのまま峠を降りると、数分で軽井沢駅に到着。
駅の階段が一番の急坂なんじゃない?
朝8時の軽井沢。
そろそろ活動を始めた観光客達が、街に繰り出して来ている。
そんな彼らを待ち受けるレンタルサイクル店が駅前に多数。
いいねぇ。みんな自転車に乗ろう。
でも、もうすでに暑いんですけど。。
ま、軽井沢そのものには興味がないので、おみやげに缶ビールを1つかってから峠を下る。
もちろん、6番車の長袖ユニフォームを着る。
下りは寒い。気温とは関係なく、風で体温が低下するから。
で、さっきは、大急ぎで上ってきたので、写真を一枚も撮ってない。
今度は、ゆっくりと、観光客目線で下ることにする。
木漏れ日の道。だいたいが、こんな感じ。舗装がきれいなのがうれしい。
この旧道沿いには旧国鉄の遺産が多数ある。どれが何だか、よくわからないので、とりあえず写真を撮ってみた。もちろん、これらを見るために旧道に来る家族連れも多い。
ちなみに私は「撮り鉄」ではなく「乗り鉄」。
旧道から見る妙義山。
近くで実物を見ると迫力がある。山はいいねぇ。
などと、チャラチャラと下り、約30分で横川に到着。
朝8時半。このままでは10時には家に帰れてしまう。というか、まさか通勤ラッシュと並走することになる?
「これでいいの?」
峠が問いかけてくる。
「もう1回、いっとく?」
森が呼ぶ。
今日の「ヒルクライム」は明日のためのもの。
明日の8月15日は特別な日だから、その特別な日のために気合をいれるため。
気合を入れるには、先週の赤城旧道のときのように、苦しく、はぁはぁとうなり声をあげながら、限界を身近に感じ、やばいかも?と不安にならなければいけない。
今日は、まだ、かけらも不安を感じていない。
これでいいの?
こんなんでいいの?
「もう1本、いっとく?」
小学生みたいな妄想だけどね、恥ずかしいくらいに。
でも、今日はがんばらないといけない日なんだ。
こんなので終わりにしてはいけない日なんだ。
2本目のスタート。
もう一度、碓氷峠旧道を上る。
水泳の練習では、800を4本、なんてのもするんだから、所詮2本目だぜ。
楽しくて仕方ない、といった気持ちで、再び峠へ突入した。
しかし、さすがに、2本目は違う。
あれ、さっきはこんなにエネルギーが必要だったっけ?
あまり「急坂」とは思えないのに、でも自転車が、さっきほどスンナリとは進んでくれない。
1本目とは道が違うのではないかと錯覚するくらいだ。
苦しくなると、カーブ番号が重くのしかかる。
88、89、90、、、、91、92、
やっと半分かよ、、
さっきとは気温も違う。だから疲れる速度が違う。
しかし、足を着きたくなっても、絶対に着かない。
着いたら負けだ、と心に誓う。
グローブとボトルが強い味方だ。彼らのおかげで、足を着かずに水が飲める。
やはりカーブ数184てのは、精神的攻撃力が高い。
緩やかな傾斜のくせして、ジャブのように体力を奪う。
最高の難所(といっても赤城旧道に比べたらへなちょこ)の129番をクリア。
しかし、まだ50以上もカーブが残ってる。まじかよ、おい。
でも絶対に足は着かない。
糸は切らない。
こんなの、市田の苦労に比べたら、、、、、
150番以降は、カーブを1つずつ数えたほどだった。
180、181、182、、
さっきは「もがき」で上った場所だが、、
183、184!
ふぅ。
自転車を降りて、道路ポストにもたれかかる。
2本目のゴール。
1本目と比べると、木々の陰が短い。
ま、がんばった。
これで、明日は堂々と市田の応援ができる。
明日は8月15日。松戸記念競輪初日。
市田の長期休養明けという「特別なレース」なのだ。
骨盤骨折、肺損傷でGICU1ヶ月という苦難を乗り越えた市田が、半年振りに競輪場に姿を見せる日なのだ。
軽井沢2往復くらい、鼻歌を歌いながら乗ってこれないようでは、その特別なレースを応援する資格はない。
ま、小学生の妄想と言われようが、
それが私の生きる道。
(つづく)
日の出とともに、家を出て、
「燃えないゴミ」をゴミ置き場に放り投げて、
軽井沢へ向けて出発。
朝5時なのに生温かい空気の中を、県道「前橋安中」線、国道18号を横川を目指してゆるゆると進む。
勝負は峠だ。前回の経験から、「スタート地点」までは可能な限り体力を温存すべきと知った。
スタート地点は横川(おぎのや)。前橋から横川までは、スタートに対する助走だ。
とはいえ、安中から松井田に入り、横川が近づくと、一応「坂」になる。
もちろん赤城旧道と比べたら、へなちょこというか、平坦といっても過言ではない「坂」だが、申し訳程度に登坂車線もあったりするので、慎重に慎重にエネルギーを温存しながら進む。
横川近くから見る妙義山。上毛三山の残りの1つ。
クレヨンしんちゃんの作者が滑落死した山としても有名。
6:30 横川(おぎのや)到着。
ここまで35km。1時間半。ゆっくりすぎ?
どうでもいいけど、
アーセナルのユニフォームって、かっこいいね。
この肌の色だけなら、ウォルコットみたい?とか子供みたいな妄想。
ベンチで水分補給と休憩。
家から「凍らせた状態」で持ってきたポカリが、すでに「お湯」になってた。
この「おぎのや」のすぐ先で、バイパスと旧道が分岐する。
旧道を15km上れば、ゴールの軽井沢だ。
たった15km?
赤城旧道も「全長15km」だから、決してあなどることはできない。
………
ゆっくりと休憩して、7時ちょうど。
いざ出発。いざ軽井沢。
出発してまもなく、一人のローディに追い越された。
その後姿があまりにも美しかったので、追いかけて了解を得て写真を撮らせてもらった。
上下のユニフォームも綺麗だが、ふくらはぎと背中が美しい。
初心者にとって、他人のフォームを見ることはとても勉強になる。
そんな上級者さんを追いかけながら、碓氷峠の旧道に突入。
カーブ番号が始まり、気合が入る。
どこぞのブログで調べたとおり、路面は快適だ。
最近、舗装しなおしたばかりなのだろうか。ツルツルの路面は、全く苦痛を感じさせない。
時折、ガソリンを無駄遣いする輩が、轟音とともに文明車を走らせていくが、道幅が広いので、ほとんど危険ではない。(実は、そんな輩は、意外とオヤジが多いことに驚いた。)
。。。。ガソリンの値段を10倍にすればいいのに。
そんな騒音野郎は数台しか遭遇せず、それ以外に聞こえてくる音は鳥の鳴き声だけだ。
本当に静かだ。
もちろん、その静寂を楽しんでいる人達が他にもいるだろうから、僕自身も音楽をかけずに上る。
しかし、心の中では「アースチャイルド(セカイノオワリ)」を歌いながら。
ということは、ケイデンス95を維持しているわけだが、、
坂が緩い。
赤城や榛名に比べたら、物足りない。
今までで一番緩い坂だ。
ギアもファイナルローにすることなく、2枚、3枚上げた状態で、それでケイデンス95が歌える。
なんか、肩透かし?
いやいや、油断してはいけない。
だって、「カーブ184の急坂」なんだから。
頂上に近づくにつれ、急坂がでてくるはず。はず?
と思って上っていっても、、ふーん?ふーん?ふーん?
カーブ番号が100を越えても、「坂」らしい坂はない。
127、128、129番のカーブあたりで、ちょっと路面が悪く、勾配もあったので一時的にダンシングをしたが、、、
それ以外は、お尻をあげる必要がない。
あれ?
でも油断しちゃいけない。
なんてったって、184あるんだから。
まだ130。。。。
まだ140。。。
まだ150。。
あれ?
峠を上りながら、3人のローディを追い抜いた。
あの美しいローディさんも、実は途中で追い越してしまった。
あれ、おれつぇ?
カーブの数が170を数えた。
もがけぇ!
最後にもがきを入れた。
あっけなく、184番のカーブが来た。
ゴール。
ゴール?
頂上に着いてしまった。
うーん。どうなんでしょう?
単純にカーブの数が多すぎてウンザリする精神的訓練の峠なのかな。
あるいは、タイムアタックの練習用とか。
碓氷峠旧道(おぎのやから) 15km
50分
ボトルホルダーとグローブのおかげで、一度も着地しなかった。初心者的にはうれしい初記録。
そのまま峠を降りると、数分で軽井沢駅に到着。
駅の階段が一番の急坂なんじゃない?
朝8時の軽井沢。
そろそろ活動を始めた観光客達が、街に繰り出して来ている。
そんな彼らを待ち受けるレンタルサイクル店が駅前に多数。
いいねぇ。みんな自転車に乗ろう。
でも、もうすでに暑いんですけど。。
ま、軽井沢そのものには興味がないので、おみやげに缶ビールを1つかってから峠を下る。
もちろん、6番車の長袖ユニフォームを着る。
下りは寒い。気温とは関係なく、風で体温が低下するから。
で、さっきは、大急ぎで上ってきたので、写真を一枚も撮ってない。
今度は、ゆっくりと、観光客目線で下ることにする。
木漏れ日の道。だいたいが、こんな感じ。舗装がきれいなのがうれしい。
この旧道沿いには旧国鉄の遺産が多数ある。どれが何だか、よくわからないので、とりあえず写真を撮ってみた。もちろん、これらを見るために旧道に来る家族連れも多い。
ちなみに私は「撮り鉄」ではなく「乗り鉄」。
旧道から見る妙義山。
近くで実物を見ると迫力がある。山はいいねぇ。
などと、チャラチャラと下り、約30分で横川に到着。
朝8時半。このままでは10時には家に帰れてしまう。というか、まさか通勤ラッシュと並走することになる?
「これでいいの?」
峠が問いかけてくる。
「もう1回、いっとく?」
森が呼ぶ。
今日の「ヒルクライム」は明日のためのもの。
明日の8月15日は特別な日だから、その特別な日のために気合をいれるため。
気合を入れるには、先週の赤城旧道のときのように、苦しく、はぁはぁとうなり声をあげながら、限界を身近に感じ、やばいかも?と不安にならなければいけない。
今日は、まだ、かけらも不安を感じていない。
これでいいの?
こんなんでいいの?
「もう1本、いっとく?」
小学生みたいな妄想だけどね、恥ずかしいくらいに。
でも、今日はがんばらないといけない日なんだ。
こんなので終わりにしてはいけない日なんだ。
2本目のスタート。
もう一度、碓氷峠旧道を上る。
水泳の練習では、800を4本、なんてのもするんだから、所詮2本目だぜ。
楽しくて仕方ない、といった気持ちで、再び峠へ突入した。
しかし、さすがに、2本目は違う。
あれ、さっきはこんなにエネルギーが必要だったっけ?
あまり「急坂」とは思えないのに、でも自転車が、さっきほどスンナリとは進んでくれない。
1本目とは道が違うのではないかと錯覚するくらいだ。
苦しくなると、カーブ番号が重くのしかかる。
88、89、90、、、、91、92、
やっと半分かよ、、
さっきとは気温も違う。だから疲れる速度が違う。
しかし、足を着きたくなっても、絶対に着かない。
着いたら負けだ、と心に誓う。
グローブとボトルが強い味方だ。彼らのおかげで、足を着かずに水が飲める。
やはりカーブ数184てのは、精神的攻撃力が高い。
緩やかな傾斜のくせして、ジャブのように体力を奪う。
最高の難所(といっても赤城旧道に比べたらへなちょこ)の129番をクリア。
しかし、まだ50以上もカーブが残ってる。まじかよ、おい。
でも絶対に足は着かない。
糸は切らない。
こんなの、市田の苦労に比べたら、、、、、
150番以降は、カーブを1つずつ数えたほどだった。
180、181、182、、
さっきは「もがき」で上った場所だが、、
183、184!
ふぅ。
自転車を降りて、道路ポストにもたれかかる。
2本目のゴール。
1本目と比べると、木々の陰が短い。
ま、がんばった。
これで、明日は堂々と市田の応援ができる。
明日は8月15日。松戸記念競輪初日。
市田の長期休養明けという「特別なレース」なのだ。
骨盤骨折、肺損傷でGICU1ヶ月という苦難を乗り越えた市田が、半年振りに競輪場に姿を見せる日なのだ。
軽井沢2往復くらい、鼻歌を歌いながら乗ってこれないようでは、その特別なレースを応援する資格はない。
ま、小学生の妄想と言われようが、
それが私の生きる道。
(つづく)
by akogarehotel | 2013-08-16 18:23 | 本気のサイクリング | Comments(0)