2115. 受験戦争今昔(10) 『駿河大帝国のお姫さま』 平成30年1月
受験戦争今昔(10) 『駿河大帝国のお姫さま』 平成30年1月
とりあえず、当時は、猫も杓子も、バカもアホも、逃げも差しも、全て駿台。
通常通うクラスのほかに、夏期講習や参考書・問題集も駿台。
ぼろもうけだな、ホント。
参考書:
「○○先生の××」というシリーズで100種類くらい販売。
そのなかで、僕が、聖書とあがめるのが「坂間の物理」。
物理学の法則はすべて、数学の微分積分で説明できる、という本。こんなことは大学の物理なら当然のことだが、高校時代にこれを知った僕の感動は計り知れない。
え、速度を積分すると距離になるの?
力を積分するとエネルギーになるの?
勉強(練習)が楽しくて仕方ない。まさに魔法の道具、というか麻薬でした。
高3の12月は物理しか勉強してなかったかも。
もちろん、本人の授業も神がかり的に面白い。大人気なのでなかなか受講できなかった。
………
夏期講習:
各教科ごとに数々の短期講座が開かれる。
「誰々先生の代数幾何」とか「誰々先生の英文法」とか。
各講座は約1週間。講座の数は、夏休み全体で200種類以上になる。
駿台予備校の夏期講習は、異常なほどに、全国的に大人気。
夏休み中だけなら、ということで群馬からも大挙して生徒が押し寄せる。ほぼすべての講座が申し込み即日満員。しかも、申し込みのために3時間くらいの行列待ち。前述の「坂間の物理」なんて、よほど早起きしないと申し込み不可能。
御茶ノ水市谷だけでなく、大宮や横浜校舎もフルに使って夏期講習が開催され、駿台はこのときばかり、と大儲けする。濡れ手に粟の時代だった。
夏期講習は、本当に楽しい思い出しかない。
だって、東京に1週間、泊り込みだよ?!御茶ノ水のビジネスホテルに1週間だよ!
勉強なんて、午後5時には終わるんだから、そのあとは…
サカタと一緒に、御茶ノ水の隅から隅まで探検した。
当時は、御茶ノ水地域には10軒くらいゲーセンがあったが、その全てを見て回った。今とは違って、50円のテーブルゲームしかない時代。毎日3時間くらいゲーセンで過ごした気がする。もっとも遊んだのが「1942」と「チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番がBGMの車のゲーム」(名前忘れた)
でも、これでも、御茶ノ水エリアの外には出なかったのだから偉い。
同じ前橋高校のコジマ君(本名)とヒロサワ君(本名)は、わざわざ新宿まで遊びに行って、10万円するコーラを飲んだらしいよ。(実話)
東京恐い。
………
そんな夏期講習の、ある日、大宮校舎の、ある講座で、
僕のとなりに、恐いくらいにかわいい女の子が座った。(座席は指定席)
「早春物語」の原田知世に似ている。
しかし、彼女には見覚えがある。たしか、通常授業のときの同じクラスの女の子だ。
通常授業と、夏期講習は扱いが全く別々で、夏期講習は校舎・日程・科目が多種多様。自分の好みと都合により、200以上の講座の中から、受講する講座を選ぶ。
通常授業で同じクラスとはいえ、夏期講習まで同じクラスになるのは、かなりの偶然だ。しかも、大宮校舎。でもって、隣の席!
これぞ、ドキがムネムネ状態。
その女の子は、お茶の水女子大付属高校の洋子さん(本名)。大宮に住んでいる。
しかし、それ以上は聞けなかった。
純粋な群馬の少年には、ここまでが限界だったよ。
でも、その1週間の講座は、まさにパラダイスだったなぁ。
勉強が手につかない?そんなわけはない。
同じレース(試験、授業)に出ている女性に対して、いいところを見せなきゃいけないんだから、それはそれは一所懸命に練習(勉強)しましたよ、、、、、多分。
「おれ群馬の神童。わからないことがあったら、聞いてよね」
………
しかし、人生は奇なり。
人類の浅はかな想像を、はるかに越える。
翌年の4月、
その女の子が、同じ大学の同じ学部の同じクラスにいる!
僕の医学部の定員は、たったの65人。そのうち女子はわずかに6人。
クラスはその半分。
これって、奇跡?運命?
運命だと思ったんだけどなぁ、俺は。。。。
(平成30年現在、洋子さんはまだ独身です。)
………
駿台予備校のおかげで今の俺がいる、というお話でした。
by akogarehotel | 2018-02-02 18:00 | 子育てられ | Comments(0)