2156. 「モロッコ格安新婚旅行1999」(7) この国の憎めないやつら 平成30年4月

「モロッコ格安新婚旅行1999」(7) この国の憎めないやつら 平成30年4月



さて、ワルザザートへ到着したのは、午後4時。


もうすぐ夕方だ。宿を探さないといけない。

マラケシュのような町なら、宿探しも簡単だが、ここは僻地ワルザザート。ガイドブックには、4,5軒のホテルしかない。(実際はもっと多い。)

ただし、次の目的地ザゴラには宿が一軒しかないらしく、それに比べると緊張感は、やや軽い。

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↑ワルザザート


………



僕らは、ガイドブックで目星をつけていた「ホテル・アムラル」に向かって歩き始めた。

すると、カサブランカにいるような若い「にいちゃん」が声をかけてきた。

着ているものが都会風で、肌の色は明るいが、アラブ人のようだ。


 『Tourist? Wherere you going?』(旅行かい?どこへ行くの?)


めずらしく、流暢な英語を話す奴だ。


私 「Going to Hotel Amural. (ホテル・アムラルを探しています。)」


ちなみに、「H」は発音しないので、「ホテル」ではなく、「オテル」と発する。

すると、その兄ちゃん、


 『 ホテル・アムラルは休みだよ。ホテル・ロワイヤルなら開いている。案内してあげるよ。』


宿探しの苦労はマラケシュで経験済み。しかも、もうすぐ日没。アムラルでなければいけない理由はないので、兄ちゃんの誘いに、喜んで従った。


2,3分、歩いて到着。ホテル・ロワイヤルは、すぐそこだった。

1階にカフェがある、しゃれたホテルだ。(日本的にはペンションという、3階建て?くらいの建物。)


↓(某社HPより)

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 『こっちだよ。』と言いながら、兄ちゃんはホテルの中まで、遠慮なく、ずいずいと入っていく。

そして、フロントのカウンターの中まで、堂々と入っていき、そして、


 『いらっしゃいませ!』



………



なんのことはない、その兄ちゃんはホテルロワイヤルのスタッフだった。


年齢は若いが、その身だしなみを考えると、もしかしたら「経営者」かもしれない。その後、何度もこの兄ちゃんとは会うことになるが、彼が他人に命令しているところは何度も見るが、命令されているところはみたことがない。


僕らとしては、ホテルアムラルにこだわりはなく、夕方にもなるので、泊まれるならばどこでもよい。騙されたという感覚は微塵もない。


兄ちゃん 『 お湯のシャワーを希望?ならば、空いている部屋は、この3つ。ただ、蛇口をひねってお湯が出るまで、ちょっと待ってね。水道管をお湯が流れてくるまで時間がかかるから。 』


 と、真剣に説明してくれた。

さらに、その3つの部屋を順々に案内してくれて、


 『 どれがいい? 』と。


これこそが、自由旅行の際の理想的な部屋の決め方だ。この兄ちゃんは、

 客引きのくせに、対応が丁寧で、

 外見が西洋風なのに、対応はアラブ人風で、

僕らのハートを速攻でつかんでしまった。


たぶん、本当にホテル・ロワイヤルの経営者なのだと思う。

名前は「モハンマド」といっていたが、モロッコには「モハンマド」という人間が1億人くらいいる。日本でいうと「山田太郎」みたいなものだ。


僕らは、1泊1000円の部屋を選んだ。温水シャワーがついた、綺麗なツインルームだ。ちゃんと窓もある。



………



部屋に荷物を降ろすと、兄ちゃんが旅行の相談に乗ってくれるという。


兄ちゃん 『 このあと、どこへ行くんだい? 』


僕 「砂漠を見るために、ザゴラに行きたい。行く方法と、宿が心配。」


兄ちゃん 『 ザゴラは砂漠じゃないよ。あれは「砂丘」だ。砂漠を見たいならサハラに行こうよ。サハラはここ。』


と言って、地図を出し、メルズーガを指差した。


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メルズーガという場所がサハラ砂漠らしいとは知っていたが、あまりにも距離が遠く、滞在も難しそうだ。なので、僕らはザゴラで妥協しようとしてたのだが。


モハンマド兄ちゃん 『 メルズーガまで、片道300km。砂漠に2泊して帰ってくればいい。車と宿を手配してあげる。 』



もちろん、理想的なプランだが、そうなると金額が心配だ。何万とか、ふっかけられそうだ。と、返事を躊躇している暇もなく、


モハンマド兄ちゃん 『 ついて来て! 』


と、ホテルの外へ。

ホテルと、路地をはさんで反対側にあるビルへ案内された。

そこは、地元の旅行会社だった。



★★★



現時点(2018年)で、サハラ砂漠へ行きたいなら、ツアーでも、そうでなくても、メルズーガの近くのエルフードまたは、エルラシディアという街へ行く。そこで、地元民の経営する砂漠ツアーを利用する。

エルフードから、トヨタの四駆に乗って、砂漠を疾走し、日帰りもあれば、宿泊もある。砂漠のテントで寝るツアーや、石造りのホテルのパターンがある。


日本で予約していく場合、HISや大手旅行会社でも可能だが、3~5万くらいのマージンがしっかりと加算される。砂漠の相場を考えれば、信じられない金額だ。その金があれば、ホテル1軒買えちゃう。


安くしようと思ったら、自分でエルフードの街でツアーを申し込むめばよい。

ただし、エルフードは遠いし、ツアー会社を探して交渉するのも大変だ。

それが、ワルザザートでできてしまうなら、これ以上のことはない!



★★★



そこは、旅行会社といっても、ドイツのゲーセンのようだった。

うす暗い部屋にカウンターとテーブル。テーブルで雑談しているのはアラブ人。どうやら、この旅行会社のスタッフのようだが。


モハンマド兄ちゃんに、カウンターのアラブ人を紹介され、砂漠の話も伝言してもらった。『またあとで』と言って、モハンマド兄ちゃんはホテルに帰っていった。


その後、僕らは、カウンターのアラブ人と、メルズーガ(サハラ)までの往復の車と、メルズーガの宿を確認した。

・往復の移動料金が5000円

・砂漠の宿、1泊200円!2人で!!

・砂漠の食事、1食100円!(この料金感覚不明)



説明が終わると、


 『 じゃぁ、運転手を紹介するよ 』


と言って、電話をかけ始めた。

よかった。そこのテーブルで油を売ってるアラブ人ではないらしい。



2,3分、待ってると、そいつがやってきた。狭い入り口に頭を下げながら、のそーっと店内へ入ってきた。

身長190cmくらいでピーナッツ顔の、典型的なアラブ人。

恐いくらいに、目と鼻とあごがとがっている。今から、ライオンでも狩りに行くような雰囲気だ。



それが、僕らの「スーパーマン」オマールとの初対面だった。






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by akogarehotel | 2018-04-26 19:09 | あちこち旅行記 | Comments(0)  

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