2258. 医者目線の入院記録 令1年9月25日(水)
医者目線の入院記録 令1年9月25日(水)
9月17日(火) 入院
9月18日(水) 手術(全身麻酔)
9月24日(火) 一時退院、次回は10月に入院予定。
………
☆術前検査で肺活量5000ml。通常の人の2倍超。「あなた病人ですか?」と。
☆手術直前、20Gのサーフローを、まるで予防注射程度の痛みで入れる麻酔科って、神?
【解説】手術のときは針の太い点滴が必要です。健康診断などでする採血は22Gという針。それよりも2段階太い針なので、ただ皮膚に差すだけでも、すごーーく痛いんです。麻酔科の先生は、毎日毎日、こればっかりやってるので、神業と思われるほど上手いんです。
☆いざ全身麻酔。酸素マスクをかけられ、
『 わかりますか? 』って聞かれて、
「 全然、わかるよ。麻酔なんか気合いで吹き飛ばしてやる」 って思ってたら、
『 はい、手術が終わりましたよ。 』 って。
え? いつのまに終わったの?
【解説】全身麻酔は、ゼロから100。プチっと意識が消えて、次の瞬間は目が覚めてる。医学の進歩はありがたい。
☆手術後、酸素マスク5リットル。肺活量5000の俺にこの量の酸素が来ると、呼吸回数が減る。
ウトウトすると、呼吸数低下のアラームがなる。
「 眠るな!寝ると死ぬぞ!」
【解説】手術後の体力低下を抑えるために、酸素マスクを吸わせてくれます。が、僕の肺活量では、呼吸回数は、通常の人の半分で十分。しかし、アラームはそんなこと知らずに、呼吸数が一定より下がると鳴ってしまう。仕方ないから、意識的に、はーはー呼吸してました。むしろ過換気。
☆やはり、最大の苦痛はバルーンを抜くとき。そもそも、いつ入れたん?
【解説】手術中はトイレに行けないので、尿道バルーンという管を入れます。寝たきりで介護されている人が、たまーに使っているやつです。痛い。
☆手術は午前中に終わったけど、午後3時まで飲食禁止。おなかすいた。
午後3時になってやっと「飲み物だけ可」。ただし、「あまり刺激のあるものは飲まないでください」と釘を刺された。
さては、俺以外にも「カレーは飲み物」理論を唱えたやつがいたか。
【解説】手術直後はのどがマヒしているので飲食禁止。ただし、3時間後に、飲み物はいいけど食べ物はダメ、という理由がわからない。それでも、言われたとおりに「食べ物」は我慢した。お腹が空いてつらかったけど。
☆「チョコレートは飲み物」理論で許してやり、おいしそうに舐めてると、
『 回診です 』
あわてて、コーヒーでうがい。
☆チョコレートの食べすぎか、夜11時に傷口から出血。
Aから、噴き出した。
当直の先生が来てくれて、電メスで止血。
『 麻酔なしでごめんなさーい 』と女医さんに言われたら、
「 全然オッケーです。 」としか答えられない。(痛いよ。)
【解説】傷口の動脈から出血。静脈の出血とは違い、血圧があるので血が噴き出した。布団に血の斑点。圧迫だけでは止血できない。電気メスで焼いて止めるのが一般的。しかし、「焼く」のだから、それ相応の感覚があります。このときは、緊急事態なので、麻酔なんてしている暇がなかった。
☆その後は傷の回復を待つだけの入院。借りて来たDVDを見る。
カリオストロの城:最後の銭形のセリフで涙が流れた。
カジノ:ロバートデニーロの名作だが、アダルトなシーンがあり、看護婦さんが入ってこないかドキドキ。
007リビングデイライツ:前編モロッコのワルザザートで撮影。新婚旅行で行った場所です。
☆退院日にY君から本物のメロンを頂きました。
「 生ものOKなの?」と聞いたら、
『 僕がOKといえば大丈夫です。どうせ今日退院ですから。』と偉そうに、ありがとう。
【解説】Y君は、この病院の小児科医。大学水泳部の後輩。本来は、病棟での生ものの「保管禁止」。
☆執刀は筑波バスケ部卒の「教授」先生。朝8時半に手術室で出迎えてくれて、休日もガーゼ交換。申し訳なさすぎます。
【解説】医者同士で相手を表現する場合、「〇〇大学の○○部出身」という枕詞を付けます。
例)「佐藤先生って、いっぱいいるでしょ。サッカー部の佐藤先生のほうだよ」
☆神経内科のT教授が、何度もご機嫌伺いに来てくれました。自宅に帰ると2時間かかるから、病院に泊まってしまうことが多い。家に帰るのは、週に3回くらいと。ご苦労様です。
『研修医が「残業禁止」じゃ、全然経験を積めないよ。かわいそうだ。』と、嘆いていました。
【解説】夕方5時になると研修医は帰らないといけません。
「病棟にいれば何かが起きる、それを経験することが大事。なんの用がなくても、病棟で過ごせばいい。何かがあれば、いろんな人がいろんなことを教えてくれて、そうやって他科や違う職種の人とのつながりができる。1年で休日10日とか、36時間連続勤務とか、そんな時期が人生のうちに1年か2年は、あってもいいと思うよ」と、脳卒中専門のT教授。
☆本当は、明日退院の予定だったのですが、
『 すいません、今から緊急入院があるので、退院してもらってもいいですか?』
「 喜んで! 」
【解説】地域拠点病院では、よくあることです。
★★★
【付録】以下は、おまけ。
↓いろいろな人からのお見舞い品です。ありがとう!
↓院内にスタバがあるので、元気になれば楽しく過ごせます。
↓埼玉県では、さいたまテレビのおかげで、競馬を9レースから観ることができます。馬券は、もちろんガラケーでも購入できます。
by akogarehotel | 2019-09-25 14:44 | ただの日常日記 | Comments(4)
とりあえず、娑婆の飯(の量)を楽しめたかな!?
お疲れさまでした。
無事に済んで何よりです。
(イラストかわいー)