2018年 03月 31日 ( 1 )

 

2142. あちこち旅行記「まったく医者ってやつは、ドイツ編」 平成30年3月

あちこち旅行記「まったく医者ってやつは、ドイツ編」 平成30年3月



「学会発表」という仕事が、医者にとって非常に楽しいそうだということは、九州旅行のときに感じていたが、自分が医者になって、それを再確認した。



大学病院に勤務している新米医者は、入院患者さんに何かあると、もれなく速攻でお呼び出しがかかる。夜中だろうが、日曜だろうが関係ない。とすると、1年のうちに、病院に一度も行かない日が、10日間あるかないか。夜だって、寝てる気がしない。

「働き方改革」とか、なに寝言みたいなこと言ってんの?と医者は思っている。

(当時、それが普通だったので、それほど文句はなかった。)


しかし、唯一、「学会出張中」なら呼ばれない。呼ばれて来れる距離にいないから。

そんな素晴らしいイベントが学会発表。

だから、みんなこぞって学会に行きたがる。

海外ならなおさらだ。



…………



僕は、カッコイイ言い方をすると、

「留守の間に他人に迷惑をかけるのが申し訳ない」

から、学会にはあまり参加しなかった。


本当の言い方をすると、

「他人に頼んでおいても解決することは少なく、学会から帰って来ると、結局はたくさんの面倒が待ち受けている」

ので、学会参加を拒否していた。



しかし、立場上、参加せざるをえなかったのが、医者になって4年目のとき、ケルン(ドイツ)での国際学会。


「今度はお前が発表する順番だから、行ってこい」と、恩師からの命令だ。

「(たまには休んで、羽を伸ばして来い)」というのが、行間だ。



………



国際学会なので、ハンコをもらうだけではない。演題発表をしないといけない。


演題発表の方法には2種類ある。

スライドを使って聴衆の前で話すのが「プラットホーム」。かなり緊張する。

紙に書いて壁に張り付け、見に来た人が勝手に眺めていくのが「ポスター」。


僕の発表は「ポスター」。畳1つぶんくらいの英文の「ポスター」をつくり、眺めていった外人から、質問があれば、それに英語で答える。当時、それくらいの英語力はあった。「ポスター」なら全然緊張しない。

やはり旅行気分だ。

それよりも問題は、初の海外ということ。



………



この「ドイツ旅行」には、同じ大学病院から、10人くらいが参加した。

何も知らない僕は、飛行機の切符、宿泊など全てを先輩にお任せ。パスポートだけ用意して、あとは成田空港の集合場所へ。



日曜の夜の成田空港。

音量的には静かなんだけど、今から海外に行く人たちのなんともいえない雰囲気が充満している。大好き。


飛行機に乗ったらすぐに眠り、起きたら、ドイツのフランクフルト国際空港。

乗り換えのため、空港で4時間くらい待った。

初海外だから、空港内を見学してもいいのだけど、現地時間で朝の5時。シャッターしか見えない。


フランクフルトからは、国内線で1時間程度でケルンへ到着。

空港から、タクシーでホテルへ。


タクシーがベンツだ!

くるくる回る交差点がある!(ランアバウト)


初の海外に興奮が止まらない。

ホテルでチェックインするだけでも、なんだか楽しい。



………



学会は、月曜か金曜までの5日間。

僕の発表は、2日めの火曜。残りの4日間は、その他の発表を見て回る(ことになっている)。

でも英語だからなぁ。

他人の英語を聞いても理解半分だから、聞いてても時間のムダだよなぁ


ということで、ケルンの街へ。

下調べは何もしていなかった僕。

ライン川沿いに大きな寺院がある。これが有名な「ケルンの大聖堂」らしい。回転階段を登って頂上へ。


うーん、こんなもんか。

f0131183_23395913.png


川沿いの土手は市民の憩いの場になっている。たくさんのカフェや食堂が、ところせましと、テーブルや椅子を出し、それに見合ったたくさんのケルン市民が散歩やサイクリングなどで集まってくる。貸しボートもある。

どこのカフェも食堂も、お客さんでいっぱいだ。



レストランのメニューは、「ソーセージばかり!」

日本では、小学生でも、「ドイツ=ソーセージ」のイメージだろうが、笑っちゃうくらいにそれが真実だ。レストランのメニューもそうだけど、ホテルの朝食も夕食もソーセージだらけ。よく分からないソーセージが何種類も並んでいる。

聞いたところによると、腸に脳みそや肝臓や血液を詰めたソーセージもあるとか。聞かないほうがよかった。


日本料理は皆無。まったく見かけなかった。

中華料理はたくさん。これは全世界共通。しかし、米はおいしくない。種類も悪いのだろうが、炊き方も悪く、パサパサしていた。全然、別の食べ物。



夕食を食べてからも、適当に散策していたが、一向に日が落ちない。


まだ明るいよ。

と思ったら、夜9時。


素直に、緯度の違いに驚いた。



………



さて、お約束。


「知らない町に行ったら、ゲーセンを探す」



水曜日は中日(なかび)に指定されている。学会主催者も、この日は観光を推奨し、マジメな演題発表は午前中で終わってしまう。

といっても、ケルンの街中は昨日のうちに探索して、ゲーセンがないことは確認した。

じゃぁ…

乗り鉄らしく、電車でGO



そもそも、ケルンなんていう地名はこのときまで知りもしなかった。サッカーに全く興味がなかったので。

そんな僕でも知っている地名が、ケルンの北にあるデュッセルドルフだ。

ケルン駅で調べたところ、デュッセルドルフまで「特急で1時間弱」らしい。

各駅停車なら3時間くらいという情報も確認。

f0131183_23402431.png

さあ、

切符を買う、特急券を買う

間違わずに特急に乗る


なかなか楽しい挑戦でした。

ケルン駅の規模は高崎駅と同じくらい。

切符購入はカタコトの英語でOK.


問題は、どの電車?どのホーム?

ホームの表示はドイツ語だけ。デュッセルドルフという地名は探せるけど、「特急」って、ドイツ語で何?

さらに駅には改札もなく、噂どおりに「発車のベル」も鳴らない。

(日本って、素晴らしい!)



まぁ、間違って乗ったとしても、各駅停車で3時間だから。。。。

という気分で乗ったのは特急だった。



快適に、駅を通過し、北へ北へと向かった。

途中、車内改札の車掌さんが来た。こうでもしないと無賃乗車の嵐だ。

車窓はドイツ風の田舎な景色。高崎線の熊谷ー高崎を洋風にした感じ。この説明で十分に分かっていただけるでしょう。

駅で、ジュースとおやつを買ってこなかったことを後悔。車内販売や自販機などあるわけないし。



1時間後、デュッセルドルフに到着。

一応、ケルンよりも都会だ。

ケルンは、大聖堂に人が集まるのどかな観光地。

デュッセルドルフは、ビジネス中心の都会。交通量も人口も多い。


さぁ、ゲーセンを探そう。

ふらふらと勘を頼りに歩き出す。

しかし、それらしき「ネオン」がひとつもない。平日の昼間ということもあるけど、日本ならどんな街でも、犬も歩けばパチンコ屋に当たる。そんなネオンも、デュッセルドルフにはなかった。

ただ、目的はゲーセンではなく「街探検」なので、結果はどうでもいい。


そろそろ帰ろうかなと思った、駅近くの細い路地。

ついに見つけた!


看板は覚えていないが、間違いなくゲーセンだ。



【雑談:「ゲームセンター」という看板はもちろん日本だけ。

ミャンマーでは「ソニーセンター」という「日本語のカタカナ」が書いてあります。】



その店は、小さな雑居ビルの1階。

自動ドアの先は、薄暗いというか非常に暗いワンルーム。

ちょっと狭いコンビニくらいの部屋の片側に、ピンボール、スロット、サッカーゲームなどの、当時としても「レトロ」なゲームが6,7台。部屋の反対側にはイスとテーブル。

窓はない。


そして、そのいすとテーブルでご休憩されていたのが…

いわゆるアメリカ映画のスラムの光景。

背が高く、体格もごつく、どうみても「ゲーセン」なんて縁のないお兄様方が4,5人。ジーンズに光物がキラキラ。ビンのまま、何かを飲んでる。もちろん、タバコの煙もモクモク。


僕が入っていったとたんに、会話をやめて、一斉にジロっと注目。

照れるなぁ。


「なんだ、このチビなアジア人は?」


と彼らの心の声が、視線から感じられる。


ま、僕のような人間は彼らにとって無害だから、、、、

熱い視線を背中に受けながら、ピンボールを1クレジット。


1ゲームしたところで、やはり雰囲気もあまりよろしくないし、

そもそも、面白いゲームが置いてないし、さっさと退散した。



結論:ゲーセンが進化したのは日本だけ。海外ではゲームセンターなんて存在しない。風紀的にも存在できない。(1995年頃の話)



帰り道。

渋谷くらい大きなデュッセルドルフ駅で、間違わずにケルン行きの特急に乗る。今度は駅で、ちゃんとジュースを買い、無事に夕食前にホテルに戻って来た。


「学会」って楽しいね。







[PR]

by akogarehotel | 2018-03-31 23:38 | あちこち旅行記 | Comments(0)