2018年 04月 23日 ( 1 )

 

2155. 「モロッコ格安新婚旅行1999」(6) ここで生きてる? 平成30年4月

「モロッコ格安新婚旅行1999」(6) ここで生きてる? 平成30年4月

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アトラス越え


マラケシュとワルザザードの間には、学校でも勉強したアトラス山脈がある。

アトラス山脈には、高、中、低の3部分があり、これから向かうのは「高アトラス」だ。

正確な高さはわからないけど、教科書にのっているくらいなので、かなり高いであろうと想像できる。最高峰のトゥプカル山は、4100mだ。


直線距離では100km程度なのに、山道をくねくね進むため、4時間以上はかかるという。しかも、道路にはガードレールがない。ガードレールを作るお金はモロッコにはない。


ほんと、RPGみたいになってきた。



………



2006年、エジプトで日本人を乗せた観光バスが横転し、死者も出た。

テレビでは、ツアーを企画した旅行会社の人が、頭を下げて謝っていたが、

エジプトのバス会社の反応は、おそらく、


 「ごめん、でも仕方ないさ」


その理由は、2つもある。



1つがイスラム教。

「すべては神の思し召し」


あなたが無事に帰るか、事故にあうか、それはあさはかな人間が考えて分かることではない。すべて神が決めたことだ。

さらに、この事故の当日はラマダン(断食)だった。運転手さんは、空腹限界状態で運転していたんでしょうね。



2つめは、あの辺りの交通事情。

「市街地を時速80kmで走る。2車線の道に車が割り込むので、3,4車線になる。大型バスが猛スピードで追い越しをかける」

モロッコやウズベキスタンでも、よく見る光景です。

ま、日本の金沢でも、1車線の道を2車線で利用してますから、文句は言えません。

ただし、アフリカあたりは、時速20kmの超安全走行の軽トラやリアカーがたくさんいますので、日本よりも危険極まりないのは確かですね。



………



なので、ミサイルのようにすっ飛ばすバスの運転手に、日本人が、


『もっと安全運転しろ!』


と言ったって、聞くはずがない。


『あなたがた日本人が、朝食に納豆を食べるように、我々は、足が床にくっつくくらいアクセルを踏み込むのさ』


と考えている(かどうかは知らない)。



公共の交通機関が事故を起こすはずがない、なんてのは平和日本人の錯覚。いくら事故をおこしても、おそらく、今日もエジプトやモロッコでは、バスがミサイルのようなスピードですっ飛ばしています。


ということで、無事にアトラス山脈を越えられるかどうかは、すべて「神の思し召し」。

思し召しの結果、道路の横へ転がってしまった大型トラックと、観光バスを1台ずつみかけました。



★★★



午前11時。マラケシュ。


アラビア語が飛び交うバスターミナル。行きかう人のほとんどがアラブ人、またはベルベル人(真っ黒い人)だ。西洋人が一人もいない景色は、もう見慣れた。

ワルザザート行きのバスは、日本の路線バスのような車両。カサブランカからのバスとは違い、扁平な背もたれで、隣とは区切りのな座席が並んでいる。

自由席だが、長距離路線なので席数ぶんしか乗車させていないようだ。立っている人はいない。バスターミナル同様、乗客はアラブ人ばかりだ。



マラケシュを出て、しばらくは快適な2車線が続いたが、30分も走らないうちに片道1車線の、みすぼらしい舗装道になった。舗装道のはずなのに、砂埃が舞い上がる。


1時間走ったところで、ドライブインに立ち寄った。

荒野の一軒家という感じのドライブイン。

バスから降りると、物乞いの少年がかけ寄って来た。まだ小学生くらいだ。小銭とパンを渡した。

店内でコーラを飲んだ。生水を含まない安全な飲み物は、ビンで販売している炭酸飲料しかない。旅行中は、コーラばかりを飲むことになる。


店の外へ出ると、また別の物乞いの少年が寄ってきた。いったい何人いるんだろう?

お釣りの小銭を渡した。もちろん、このお金は、彼らの小遣いになるのではなく、家計の足しになる。

子供は学校なんて行かずに、家のために金を稼ぐ。

カサブランカやマラケシュの都市部を、一歩、外に出れば、だいたいこんな感じだ。



………



ドライブインを出発すると、さぁ、アトラス山脈。

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低いところで、2000mと考えると、渋峠レベル。

渋峠ならば、森林限界なので、木々が生えているはずがない。ふきっさらしの、岩だらけの赤い山肌が広がっている。砂埃だらけだ。

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等高線に沿った細いカーブを、バスはゲームセンターみたいなスピードで進んでいく。大丈夫か?

ここで崖下に落ちても、誰にも気づかれないだろな。

もし気づかれて、新聞に載っても、「そんなところに旅行するバカな奴」と言われるんだろうな。

本気で、そう心配するくらい、限界スレスレの運転だ。


こんな山道を通っているのは、長距離バス以外には、オンボロベンツの長距離タクシーと、今にもタイヤがはずれそうな長距離大型トラックとタンクローリーくらいなもの。

そんな大型車ばかりだから、すれ違うのもハラハラどきどきの連続。


ま、心配しても仕方ないから、遠くの山でも見ていよう。

って、崖下に落っこちてるトラックがあるし!

回収するのが困難なのだろう。いつの事故だかわからないが、落っこちてる大型トラックを2台も見かけた。。。。。



………



アトラス山中のドライブインで休憩。

ドライブインといったって、立っているのが不思議な建築物だ。

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ここに店があるということは、この近くに住んでいるのか?ということだが、

遠くの山を眺めると、斜面にへばりつくように建っているブロック造りの家が、数軒見える。よくもあんなところに住んでいるな。あそこまでどうやって行くのだろう?。


ちょっと雨が降れば、あっという間に流されてしまう崖っぷちだが、

その、「ちょっとの雨」すら降らない場所ですからね。



さらに数時間、山道をくねくね走る。

峠を越えて、下り坂基調になると、さらにスリル倍増。右へ左へ、遠心力まみれ。

だんだん直線が多くなってくると、ゴールも近い。直線なので、バスもさらにスピードアップ!

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午後4時すぎ。マラケシュから5時間。

城砦の町、ワルザザードへ到着した。



よかった、生きてたよ。

 『インシャッラー(すべては神の思し召し)』






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by akogarehotel | 2018-04-23 19:08 | あちこち旅行記 | Comments(4)