2121. 受験戦争今昔(あとがき) 『品のいい大学のこと』

受験戦争今昔(あとがき) 『品のいい大学のこと』



長文失礼。

興味のない人は無視してください。

芦田マナのファンならどうぞ。




「品のいい大学」の医学部の定員は100人。

そのうち、60人が一般受験生。「外部」という。

残りの40人が付属高校からの進級。「内部」という。


40人の内部生のうち、

 慶応義塾高校 28人

 慶応女子高校 4人

 慶応湘南高校(神奈川) 2?

 慶応志木高校(埼玉) 4?

 ニューヨーク高校(海外) 1?



慶応義塾高校は、「嵐」のナントカ君が通っていた男子高校。いわゆる「慶応高校」。神奈川県の日吉という町にある。マンモス高校で、1学年は24クラス(45人)くらい。

そのうちの28人しか、医学部には進学できない。クラスで一人だけ。


進級の判別方法は、高校3年間の「通知表」による。

音楽、体育、美術を含めた、全ての教科の通知表を20段階で数字にして、3年間の平均値が高い順に医学部へ進学できる。


数学の1点と、体育の1点が同じ価値ってのは、はてしなく納得がいかないが、

当人たちによると、


『医学部希望を表明していると、美術音楽体育の先生がいい点数をくれる』


とのこと。それはそれで、問題じゃないの?とは思うが、

いずれにしろ、

高校1年のときから「いい子」にしていないと医学部へ進級できない。しかも、クラスで一人だけなので、1年生のころからライバル意識がぶつかり合う。

俺には無理… 絶対に無理。




さらに厳しいのは女子。

慶応女子高は6クラスくらい。そのうち4人なので、クラスで1番でも医学部へ進学できない。元来、女子は男子よりも優秀だから、より一層難しい。

とすると、中学生の頃から、ライバルと意地の張り合いと思われるが、意外と皆様はお互いに仲がよいようだ。そして、当然に、医学部に進学してくるような女子は、キレキレの秀才ぞろい。その反面、外見は多種多様。

ちなみに、昭和の時代の慶応女子校は超ミニのタイトスカートで有名でした。


某有名子役女優さんが、こちらの中学に入学したそうです。医者になりたいらしいですが、むしろ他の学校に行くべきでしょう。どんなに成績が良くても、出席日数が少ない生徒が医学部に進学したら、まわりじゅう敵だらけになります。



………



一方、外部生は、受験のエキスパート。

理数系の超難問を「大好き」と言えるヘンタイばかり。

東大理Iは受かるが、理IIIは受からないという、微妙な立ち位置。

ほとんどが関東~東日本出身。関西は1学年に5,6人。

各地の有名高校から一人ずつ、という具合の合格者。なので、出身高校を見れば、全国受験レベルの風潮がわかる。

群馬県は前橋高校だけ(過去30年)。隣の市の高校は、総理大臣が出て、新幹線が停車するくせに、合格ゼロ。へーん。



現役と浪人生は、半分半分。

僕の頃の、最大勢力は「駿台予備校」。現役浪人含めて、入学者の半分くらいが「駿台卒業」でした。高校別にすると、各校一人くらいだけど、駿台予備校の理3アルファクラスからは、10人以上が合格(当時)。


外部生の半分以上が、Z会(通信添削)の会員。入学後3ヶ月くらいは、ペンネームや問題の難しさの話題で盛り上がれる。



外部から入学する女子は6人だけ(当時)。

男子のほうが成績がよいのか、

それとも、(東大の噂のように)男子を優先して合格させているのかは、不明。

模試の成績からすると、たぶん、何も操作していないと思いますが。



(女子も含めて)外見上、いかにも勉強ばかりしている生徒は1割くらい。ほとんどの同級生が、楽器、スポーツ、あるいは「おしゃれ」「放蕩」など、何かしらの特技を持っている。

外見でいうなら、群馬出身で浪人歴のない僕は、まるで、


 「田舎から出てきたばかりの、勉強しかできない眼鏡の学生」


でしたね。



★★★



医学部には、医学部だけの「部活(体育会)」があります。

全学部生が加入する「通常の体育会」は、基本的に毎日24時間以上練習にあけくれています。彼らには、「学校の授業」ってものが存在しませんから。

しかし、医学部は、「最低限の授業」がある。通常の体育会に入ることは物理的に不可能です。留年しても不可能です。

なので、医学部だけ別の組織として「医学部体育会」が存在します。医学部水泳部とか、医学部野球部とか。


もちろん、レベルは通常の運動部にくらべて、ガクーーーーと下がりますが、練習意欲と練習時間だけは、通常の運動部に非常に近くなっています。



医学部運動部は全国の全ての医科大学に存在します。が、それらに対する学生の意識は、各大学によってまちまちです。


慶応

 ほぼ全ての生徒が、なにかしらの運動部に入ります。どんな運動オンチでも、どこかに所属しています。無所属は、100人中、1人か2人。一方、


東大医学部「あんなもん、マジメにやってるって、笑っちゃう?」

 ごく一部の生徒を除いて、基本的に運動部には入らないそうです。天才の考えることは常識を超えています。


福井や群馬などは、半々だそうです。



………



それが目的ではありませんが、医学部運動部に入ることにより、非常に堅固な縦のつながりができます。


縦のつながりは、医学の世界でも特に重要で、たとえば、

大学病院で働いているときに、あの科の偉い先生は同じ部出身というだけで、お互いに「異様な」親近感がわきます。当然、困ったときの助けになります。


「私失敗しませんから」などとほざく医者は、世の中に一人も存在しません。

誰かの助けを借りないと、たとえスーパードクターKでも「失敗します」。縦のつながりは、この業界では「失敗しないために」とても重要で、それを構築してくれるのが運動部なんです。

だから、運動部が新入生を勧誘するときに誘う甘い言葉が、


『うちの部は、歴史が古いから、あの教授とか、あの院長とか、あの医師会長とか、みんなOBなんだよ。』


野球部のように由緒ある運動部が良く使う常套句です。



………



まぁ、運動部に入るかわりに、それ以上のものをやってる!と言えれば、それで十分です。何かがやれる能力と環境があればね。

おそらく東大は、そういう意識なのでしょう。


(あとがき後半へつづく)







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# by akogarehotel | 2018-02-08 18:31 | 子育てられ | Comments(0)  

2120. 受験戦争今昔(14) 『塾で教えないこと』

受験戦争今昔(14) 『塾で教えないこと』 



勉強は「競技」。

スポーツと同じ「競技」。


練習して、力をつけて、応用練習をして、自分の能力を確認して、試合に挑む。

ライバルを意識して、足りない部分を補強すれば、最大限の成果を生み出す。

(しかし、それでも勝てないときには勝てないよ。)



眠い目で勉強してもムダ。

それと同じくらいに、低血糖で勉強してもムダ。

それと同じくらいに、つまらないと思いながら勉強してもムダ。


楽しいと思ったら勝ち。

試合を思うと、練習したくなる。練習が好きな人は強い。

試合に向けて、練習メニューは自分で組み立てる。他人がわかるわけない。横槍を入れる他人は、親であろうと無視。

試合なんだから、ライバルがいるといい。賞品があってもいい。



………



そういえば、僕が小論文の「医者になりたい理由」で、どんなことを書いたか?


 『 僕は子供の頃から喘息もち。病気の僕を内科医である母親が一所懸命に看病しれくれた。母親自身の仕事も夜遅くまであるのに、その忙しいなかで僕を治療してくれた。僕も大人になって、母親の仕事を手伝ってあげたい、と子供心に思った。だから僕は医者になりたい。 』


みたいな内容を書いた記憶がある。涙が出そうだ。

もちろん、大ウソ。全ウソ。こんなの作り話に決まってる。

だって、僕が医者になった理由は、


 『 父親が、「医学部以外の大学に行っても仕送りはしない。医学部ならば、卒業するまで学費と生活費を払ってやる。」と言ったから。 』


そんな真実を書いたら、合格するわけない。

だから小論文なんて無意味なんだよ。



では、今現在は「医者になりたい」と思っているか?

僕のもっともあこがれる職業は、これは高校3年生のときから今まで変わっていないが、


   学校の先生になりたい!


高校3年のときの多胡先生に感化された。学校の先生になりたい。

でも、公立学校の先生ってのは、本当に大変らしい。

(なるのも大変だけど、なったあとも、)一言一句、指示されたとおりに授業をしないといけないらしい。

僕のもっとも嫌いとする「指示通り」という指示だ。


うーん、じゃぁ、


  予備校の先生になりたい!


駿台に通いながら、心からそう思った。その気持ちは今でも変わっていない。

だから、たまにそれっぽいアルバイトを引き受けている。

環境が許すなら、今にでも転職する。

学生のころ、親にちょこっとそんな話をしたことがある。すると、


『予備校の先生は大変だよ。人気が落ちたらすぐクビだから。芸能人みたいなものだよ。』



………



最後に、本文に登場した友達たちのその後。


3年7組 2位 サカタ君

一浪して、東大医学部、「育ちのいい大学」医学部、名古屋大学医学部のすべてに合格し、東大医学部へ入学。学生時代からベンツに乗り、卒業後は精神科へ入局。


3年7組 3位 カドムラ君

一浪して「品のいい大学」医学部へ入学。僕の後輩になった。医学部のサッカー部でキャプテンとしてぶいぶい言わせて、卒業後は外科へ入局。


1年7組 2位 アダチ君

高校入学時に同じ組だったアダチ君。一時、僕より成績上位だったこともある彼は、脅威の文系人間。現役で東大(文科系)に入学し、学校の先生となり、数年前から前橋高校に国語の先生として赴任。そして、水球部顧問として活躍中!

(泳げないけど)



洋子さんのことも書く?

お茶ノ水女子大学付属高校から、現役で「超絶品のいい大学」医学部へ入学。管弦楽団でホルンを演奏するかたわら、バドミントン部(選手)、アメフト部(マネージャー)でも活躍。そのうえ、勉強も手を抜かず、大学を主席で卒業。卒業後は眼科に入局。

現在独身。

↓早春物語の原田知世

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慶応病院HPに現在の写真が掲載されています。俺の夢を壊すな!

(はい、そこ、検索しないっ。)



★★★



師、のたまわく、


これを知るものはこれを好むものに如かず

これを好むものはこれを楽しむものに如かず

(最近、読んだばかりの「論語」の一節)


 【訳】如かず(しかず)=かなわない



勝負は「練習(勉強)」が好きかどうかで決まる。

練習が好きな奴は強い。


では、練習が嫌いな奴は、どうする?

少しでも得意な分野、わずかでも興味のあることから始めればよい。

そうすれば、だんだん好きになるよ。



僕が思っていたことを、孔子も言ってます。

奇遇だな、これは。







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# by akogarehotel | 2018-02-07 22:32 | 子育てられ | Comments(0)